SoundBlaster16(CT2720)の改造例 - YM2203→YMF288-M変換基板 (OFGPCB001)
Creative SoundBlaster16 for PC-9800 (CT2720)は、主にWindows向けのCバスサウンドカードです。
標準でOPL3のFM音源とPCM音源が使えて、オプションでMIDI音源ボードとYM2203を載せることができます。
しかし、Windows時代のマシンなると、YM2203な26音源では物足りないうえ、速いマシンではウェイト不足でまともに鳴らず…。
「これにYMF288-Mを載せられたらなぁ…」というのが、OFGPCB001制作のきっかけです。
アドレス拡張改造がめんどくさいですが、改造難易度はまあまあってぐらいです。
■犠牲になる機能
(多分なし)
■このボード特有のYMF288変換基板の組み立て方
このボードに使う場合、YMF288変換基板を組み立てる際に、以下の点に気を付けます。
・GND-AGND・VCC-AVCC間はショートで構いません。
・平ピン用ICソケットですので、これ用に適切に足を生やしてください。(細ピンヘッダも可)
YM2203へ供給される電源はそこまで汚れていませんし、
どーせ唯一の出力であるPHONE OUT端子はホワイトノイズが大分乗るので、
出力を別端子から出さない限りは、過剰なノイズ対策は意味を成しません。
■設定
・ディップスイッチSW1-6は「ON」です。(YM2203信号送出有効)
・YM2203となりのJP4は「2-3ショート」です。(YM2203信号送出有効)
・YM3014となりのJP5は「1-2ショート」です。(FM音源送出"無効"、ここからは出さないため)
■前準備
YM2203・YM3014がすでに実装されてる場合は、両方取り外します。
そして、各種ジャンパ設定を上項の通りに設定します。
■ジョイスティック対策
IOAはすでに4.7kΩでプルアップされています。そのため、対策は不要です。
■A1調達・レジスタアドレス拡張
困ったことに、18C-18Fhにイメージは出ていないうえ、YM2203のアドレスデコードとSoundBlaster部のアドレスデコードは、1個のPALが全部担当しています。
そのため、「18C-18Fhへアクセスしたときだけ、PALのA2入力に0を突っ込む」という回路を組む必要があります。
しかし、この周辺の汎用ロジックICをよく調べると、未使用の空き回路が沢山あり、デコード細工回路はこの空き回路だけで組むことができるのです。
配線の仕方は、テキストで見るとこんがらがるので、画像をご覧ください。
・PALの3ピン目(U4-3)のパターンをカット
・PALの3ピン目(U4-3)をGNDでプルダウン(10kΩぐらい)
・PALの5ピン目(U4-5)と74LS04の5ピン目(U3-5)を繋ぐ
・74LS04の6ピン目(U3-6)と74LS125の13ピン目(U8-13)を繋ぐ
・PALの3ピン目(U4-3)へと繋がっていたパターンと74LS125の12ピン目(U8-12)を繋ぐ
・PALの3ピン目(U4-3)と74LS125の11ピン目(U8-11)を繋ぐ
・PALの3ピン目(U4-3)へと繋がっていたパターンと、YMF288のA1を繋ぐ
これで、アドレスデコード部の細工は完了です。
(写真ではジャンパ位置が違う箇所(U3-12,13)がありますが、空き回路ならどこでも構いません。)
□詳細解説
SoundBlaster16(CT2720)のIOポートの使用状況は、以下の通りです。
Creative Labs Sound Blaster 16 for PC98
20D*, 80D*, C8D*
Creative Labs ゲームポート ジョイスティック
4D2-4DE
Creative Labs CD-ROMドライブ(Creative/Panasonicインターフェイス)
230-233, 250-253, 270-273, 290-293
Creative Labs IDE CD-ROMドライブ(使ってないよねこれ?)
1e8-1ef
5432 1098 7654 3210
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XXX0 1000 1101 XXX0 SB-MAIN
0000 0100 1101 XXX0 SB-GAME
0000 0010 XXX1 00XX SB-CD(P)
0000 0001 1110 1XXX (無視で良い)
0000 000X 1000 1XX0 OPNA
というわけで、OPNA系へのアクセスかSoundBlaster系のアクセスかを、アドレスの4bit目で判断することになります。74LS125はAND回路の代わりです。
■アナログ回路改造
ジャンパさせたい箇所は基板裏面にあるのですが、YMF288-Mのサウンド出力は表面にあり、ジャンパを通すための穴もありません。(開いてる穴はMIDIドーターボード用)
というわけで、サウンド出力を「NC扱いになっているYM2203のIOBピン」経由で裏面に通すことにします。
サウンドのLR出力を、「10uFのコンデンサ」と「1kΩの抵抗」経由で、Lは「R84」、Rは「R87」の、「両者同士が繋がってない方」のパターンへ繋ぎます。
(この辺は、YM2203のサウンドをミックスするための抵抗部分で、外しちゃっても大丈夫です。)
以上で音が鳴ります。
[2023/06/14更新]
・初版
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