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OFGPCB004(A):HAGICON2.5 DOM→2.5インチIDE変換基板


この基板は、3.5インチIDEメス端子から、2.5インチIDEオス端子へ変換するための基板です。
追加でハギワラDMIシリーズのDOM用の特殊配線がされており、この基板からDOMへ電源供給できるため、外部電源不要で使用できます。
ハギワラDMIシリーズは、PC-9801,PC-9821シリーズのパソコンと相性が良く、これをノート等にも使いたいと思ったのが制作のきっかけです。

ハギワラシスコムには、これの形状違い版のような、2.5インチHDD型の「IDIシリーズ」というのもありますが、2024年現在、中古含めても入手性は非常に悪いです。
一方、DMIシリーズは現在やたらと入手性がよく、かつ安いので、 これ用の変換基板を作ってIDIシリーズ相当の物を作った方が、入手性やコスト面で有利だったため、制作に踏み切りました。

通常、自分はこの基板を、ハギワラDMIシリーズのDOM(DMI-512MDG)と一緒に、基板組み立て完成品と共に頒布しています。




■概要(初心者向け)

基板が金属と触れないよう絶縁対策を実施・確認した後、向きに気を付けながら、PCやHDDパック内の2.5インチIDE-HDDのあったところに、これを差してください。
ピンが1つ無い側が、HDDの下側(基板面)になります。

これで認識できればOKです。正しく使えない場合は、差し間違い、PC側の故障・接触不良、相性問題のいずれかが考えられます。直すか、あきらめてください。




■寸法(OFGPCB004A)
ピンが横にずらーっと並んでいる面から見て、その横を「幅」、高さを「厚」、奥行きを「奥行」とし、単位はmmとする。それぞれ一番出っ張ってる最大部。

◇DOM含めた全体
幅=60mm 厚=9mm 奥行=60mm
・DMI-512MDGのプラスチックカバーを外せば、7mm厚にできます。

◇DOM含まない基板のみ(組み立て後)
幅=60mm 厚=5mm 奥行=34mm
・後記の垂直ピンヘッダを実装すると11mm厚
・↑にIDEコネクタ(折り返しなし)を付けると16mm厚



■製造方法やばらつきについて

2.5インチIDEオスコネクタは、2x40のピンヘッダを使って作っています。 2.5インチIDEは2x22の44ピンのため、一部はピンヘッダを切って組み合わせることで作っています。
そのため、「2x22」の構成と、「2x18」と「2x4」を合体させた構成の、計2種類があります。
どちらも通常使用においては支障はきたしませんが、あらかじめご了承ください。

DOM自体は未使用のものですが、組み立て後「テストデータを書き込み→照合→0クリア→照合」という手順で動作確認を行っているため、 頒布時には全領域に2回書き込みを行っています。

半田の付き方にはばらつきがあるかもしれませんが、それは自分の手作業で組み立てているためです。ご了承ください。 どこぞのアヌビスに手伝ってもらいたいわ…
















■概要(中・上級者向け)

この基板は、そのままの状態なら、3.5インチIDEメス端子から、2.5インチIDEオス端子へ変換するための基板なのですが、、、
「OFGPCB004A」には、追加で未実装の2x20ピンのところへピンヘッダを半田付けすることで、3.5IDEメス→3.5IDEオス変換になったり、 2.5IDEのマスター/スレーブが扱えるようになったりと、凝った使い方ができるようになります。
ここからは、詳しい仕様と、凝った使い方の例を記述します。




■ハギワラDMIシリーズ(特にDMI-512MDG)について

□IDE側端子と電源について
このDOMは、2.54mmピッチの40ピンIDEメス端子を持っているため、通常はマザーに直差しし、DOMの反対側から追加の電源ケーブルを接続して電源供給します。
実は、このDOM側IDE端子の20ピン目(通常はピンの無いKEY端子)は、5V電源供給用端子として使うことができます。これはDOMの説明書にも書かれている機能です。
そのため、2.5インチIDEへの変換をする場合、外部電源用ケーブルを使わずに変換基板1枚のみで使用できることになります。 当然、この仕様を活かさない手はありませんから、この変換基板ではしっかりとDOM側20ピン目に電源を通しています。
これが、冒頭で書いた「ハギワラDMIシリーズのDOM用の特殊配線」の部分となります。他用途で使う場合は、このピンは折っても構いません。

◇PC-98との相性
PC-9801,PC-9821シリーズのパソコンとの相性は「けっこう良い。」です。
こちらで動作検証したところ、
・PC-9801NS/L:動作OK(BIOSに40MBの壁、40MBの認識)
・FC-9801K:動作OK
・PC-9821Nr300:動作OK
・PC-586RA:動作OK
という感じで、大体の機種で普通に動いてくれそうです。

なお、ATAパラメータリセット(通称:CFリセット)の挙動については、
・FC-9801KでのWindows95のセットアップは、何の異常も起こらずに正常終了。
・通常使用においては、CFリセットをこちらでは一度も観測していない。
・強制的にCFリセットするツールを使用したところ、CFリセットは発生した。
・スレーブのCD-ROMドライブを認識させたとき、マスターに居たDOMはCFリセットが発生した。
・ただし、ATAサブコマンド66hを一度発行すれば、PCをリセットするまで強制CFリセットを耐えるようになる。
という感じで、「普通に使う分には安心して使えるが、外部ツールの使用でもっと安心して使える」という結果になりました。




■配線仕様
2.5インチIDE用44ピンコネクタ側は「2側」、3.5インチIDE用40ピンコネクタ側は「3側」、両方のコネクタを「両側」と表記します。

・GNDの、両側2,22,24,26,40ピンおよび2側43ピンは、2側3側共にピン間導通ですべて1つに繋がっています。
・5V電源の通る2側42ピンは、3側20ピン(DOMへの電源供給ピン)に繋がっています。
・2側20,41,44ピンは、未接続です。(これらのピンは切るときに間違えないよう、番号が印刷されています)
・残り全て(両側1,3-19,21,23,25,27-29,31-39)は、すべてストレートに結線されています。
・基板横に出る3.5インチIDEオスと、垂直に出る空きパターンの3.5インチIDEオスは、全ピンストレートに繋がっています。

[配線補足]
・19番ピンはATA仕様上GNDですが、末期PC-98においては「デバイス接続判定」に使われており、 何のデバイスも繋がってない状態を検知できるようにするため、GNDとは別扱いにしています。
・41番ピンは、一部パソコンでは「未通電」や「3.3V電源」となっているため、 どの機種でも確実に5Vが取れる42番ピンのみから電源を取っています。

なお、UIDE級の速度については考慮しておりません。そもそも対象のDOMがATA3止まりなので。
一応、配線間になるべくGNDラインを通すなど、ノイズ周りにはある程度配慮していますが…(OFGPCB004Aのみ。無印は雑配線)




■任意で追加実装できる部品と注意点


空き40ピンパターンに追加するのは、2.54mmピッチの2x20ピンヘッダです。(秋月電子の商品コードでいえば、100080)
これを、ピンヘッダのシルク印刷のある面に実装します。
ただし、これを実装してしまうと、基板に高さが出てしまうため、搭載できる機器をものすごく制限することになります。 (大体98ノートの厚型HDDパックにギリギリ収まるかというぐらい)

また、基板内側にある空き2ピンは電源が通っており、「+」と書かれた側が+5V、反対がGNDです。

◇注意
部品の追加実装は、自己責任の元で行ってください。作者側では何のサポートもできませんので、ご注意ください。
というか、部品を追加ではんだ付けして実装するような方は、それなりにスキルがあるはずなので、サポートは要らないですよね。




■凝った使い方の例


垂直型ピンヘッダをはんだ付けし、そこにIDEケーブルを付けて、デバイスを外付けできるようにしたもの。
98ノートの通常サイズのHDDパックに何とか収まり、隙間からケーブルを出すこともできます。
CDドライブを認識できたり、98ノートではスレーブを通常認識しないことを逆手に取って「HDDの容量制限設定用」として使うこともできそうです。



垂直型ピンヘッダとL字型ピンヘッダをはんだ付けで合体したものを取り付け、DOMを2台取り付けたもの。
98ノートの通常サイズのHDDパックに何とか収まります。

通常のL字ピンヘッダは高さが足りず、下の横に出ているコネクタと干渉します。
また、ピンヘッダを合体させる際は、「合体→基板実装」の順でやってください。 基板実装後に合体させようとすると、半田こてが届きにくく、非常に難しい作業となってしまいます。




「3.5インチIDEメス→3.5インチIDEオス変換」として、A-MATEのIDE-HDD籠内で使ったもの。絶縁対策は入念に。
籠内コネクタ基板に1本ジャンパをし、20ピン目に5Vを通すように細工を行っているため、差すだけで電源も通って、そのまま使用できます。 (この改造を行う前に20ピン目が未接続であることを入念に確認してください!)

ただし、この用途はこの変換基板の出番かどうかは怪しいところです。

そもそもこのDOMは、3.5インチIDEオス端子に直接差して使うのが本来の使い方です。
3.5インチIDEの場合はオスメス問わず、別のアプローチを勧めます。

・オス端子かつ籠内に収まる
 →直接差した方が良い。

・オス端子だが上に出ていて籠内に収まらない
 →「どちらか片方L字型のピンソケット+ピンヘッダ」を合体させて差した方が良い。(部品代100円程度)

・メス端子
 →2x20フラットケーブルに両側ロングピンヘッダをつけて「オス-オスフラットケーブル」を作った方が良い。(秋月コード108931+112180 部品代計260円)




■98ノートとスレーブ

まず、大前提として知っておかなければならないことは、「98ノートでスレーブに繋がっているストレージは、通常認識しない」ということです。


◇スレーブにHDD・SSDを繋ぐ場合

これを無理やり認識させるために、「CHSパラメータを設定した後、HDDにIPLwareを仕込んでLBAパッチを当てる」という感じの、 なかなかに手ごたえのある細工が必要になります。
IPLware:まりも氏作成の、HDD等のIPL内に埋め込むプログラムローダ、OS起動前から任意コードを動かせる)

詳しいことは、まりも氏のサイト等に まとめがございますので、こちらを参照してください。手順もそこにあります。


◇スレーブにCD-ROMドライブを繋ぐ場合

こちらの場合は少し簡単です。ただし、ソフト的な細工は必要になります。

98ノートではスレーブが無効なため、NECCDM.SYSでは認識しません。ただし、 PATACD.SYSであれば認識できます。
しかし、認識時にDOM側のCHSパラメータがリセットされてしまいます(CFリセットとして知られる現象)。これによって、CD-ROMドライブ認識後、以降のドライバやコマンドインタプリタなどを見失います。
これを何とかするには、CD-ROMドライバが動く前にATAサブコマンド66hを発行して、CHSパラメータがリセットされないように設定してやる必要があります。

現状では、リウ氏作成の【強制CFリセット】内にある 「set66h.com」をIPLwareとして動かし、OS起動前からSet66h発行する、という方法でできます。
これで、以降PATACD.SYS等を使ってCD-ROMドライブを認識させても、DOMへのアクセスが正常に行えます。

しかし、IPLwareは導入の敷居の高さやディスク操作ツールの制約があるため、もっと手軽にSet66hができるよう、朝9時まで徹夜して
set66h.comドライバのサンプルコードを合体させて set66h.comのデバイスドライバ版の「set66h.sysを作りました。
(ソース付き、set66h.sysのライセンスは元のset66h.comと同じ感じで)
config.sysのPATACD.SYSの前に「DEVICE=SET66H.SYS」を追加することで、簡単にSet66hしてからCD-ROMドライバが動かせます。

----- config.sys例 -----
LASTDRIVE=Z
DEVICE=SET66H.SYS
DEVICE=PATACD.SYS /D:CD_101



だって、DMI-512MDGは「通常使用においては」CFリセットしないけど、マザーに直接ぶっ刺すDOM型にとって「マスタースレーブ両方使う環境」は、 通常使用とかけ離れたイレギュラーな使用なんですよね…。








■やめてほしいこと

転売とかは別にどーでもいいんだけど、「OSを違法コピーした状態での転売」はさすがに非人道的かつ法に触れるのでやめましょう。
「確認用OS」と称するのもダメでーす。確認用ならFreeDOS(98)とか入れてください。




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